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2010.8.2 有元利夫展 天空の音楽

(東京都庭園美術館)
(2010.7.3~9.5)

今回の東京行きの目的のひとつ、個展なんて何年ぶりだろう。
それもすきな建物、朝香宮邸に有元さんの絵が飾られるなんて、うれしい限り。
副題の「天空の音楽」と言うのも、しみる言葉だ。
有元さんの絵をはじめて見たのは安井賞展だった。あれから何年。。。おそろしい。

夭折ということばのひびきに日本人はヨワい気がしてならない。
38歳は確かに早すぎるとは思うが、それでもこれだけのものを残してくれたのだ、
それで十分と思いたい。

で、すきな作品は・・・とcheckすると
015 花吹/天使の顔が
024 春/
033 テアトルの道/さわやかなみずいろ。地下におりるひと。
△035 厳格なカノン/今回ポスター・フライヤーに使われた作品。はしごに昇るひと。
039 多島海の雲/
050 音楽/背筋にずーんとくる横顔のほほえみ
△058 夜の森/
072 Toccata/コラールが聴こえてくる
立体
090 音楽を聴く人/立体もすばらしい。表情がある。
2010.8.2 有元利夫展 天空の音楽_b0024408_2223288.jpg


特別出品の竹橋の《室内楽》は安井賞展で初見、あとは竹橋でたびたび見た
一番なじみのある作品、もう1点は《容子夫人像》、こちらは初見。

キャプションとは別に、著書から抜粋した言葉がところどころに。
特に気になるのを写してみた。

「なぜひとりなのか。簡単に言えば、関係が出てくるからです。」

「関係というのはその「場」とそこに居る人とのものだけでいいんじゃないか。
居る者同士の関係はもういらないという気がします。」

「手は表情がありすぎるから、はっきり書かない」
「脚は何をしているかはっきりわかってしまう」

あと、浮遊というのはエクスタシーを表す、と言ったあたり、もろもろ含めて
今まで漠然と感じていたことがこれらの言葉ではっきりわかった。

もう感想をあげられたブロガーさんも多いようだが、いくつか読んだ中で気になった言葉は
シュールや不思議、怪奇、などで、なるほどリアリズムからはほど遠いもんね・・・と
は思うものの、地に足が着いていないくらいで、そんなにシュールだろうか。
中には
>シュールさはシュルレアリスムのようにも思え(以下略)
と書いているかたもいて、???な気分になった。
シュールとシュルレアリスムは違うものなのだろうか。
非現実な絵であることは否定しないが、ことさらシュール、シュールと言うほど
わたしが感じないのは、まわりと嗜好志向思考がずれているのかもしれない。
シュルレアリスムすきーだし、もともとリアリズム満載な絵画にはあまり興味ないので。

話が脱線した。内容は当然と言えば当然なのだが、ほとんど小川美術館所蔵品で
構成されているので、小川美術館が庭園美術館に引っ越してきたような。
ただ同じ作品でも観る場所によって見え方が違ってくるのも不思議。
絵画鑑賞もナマモノなのだから、一期一会だと思う。

あと、油画なのに照明が薄暗い気がして、「天空の音楽」な感じが感じられなくて残念。
画像はこちらの展覧会サイトからお借りした。
by kinmokusei_verdi | 2010-08-07 22:22 | 展覧会
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